【不登校】中学校に行かずに中学校を卒業するには

私は、物心ついた時から集団生活というものがとても苦手で、保育園, 小学校, 中学校, 高校, と、ずっと地獄の思いで生きていました。特に中学校からは本当にキツかったですね。とうとう高校で精神的限界を迎え、在籍1年半で中途退学しました。その後、10年以上経ってから通信制高校に編入学して卒業しています。
私が中学校を卒業したのは今から35年程前なのですが、当時、通信制高校というのはとても少なく、例外的というか、かなり特殊な存在でした。しかし今は中学校を卒業して初めから通信制高校に入学するという環境がだいぶ整ってきているようです。
そこでふと思ったのが、「中学校はどうなのか」ということです。そこで、中学校にも高校のように通信制中学といったものがあるのか調べてみたのですが、『通信制中学校』というものは現在では事実上存在していないようです。

では「どんなに辛く苦しくても、普通に中学校に通い、出席日数を満たして学校を卒業しなければ、そのままずっと中学校を卒業できず、高校に進学することも出来ない」のでしょうか?
結論から言うと、「そんなことはない」のですが、高校と違い中学校は義務教育であるがゆえに、「ではどうすればいいのか」がわかりずらいという現実があります。ということでここでは私が調べた結果わかった事を『中学校卒業程度認定試験』『フリースクール』『中学校に行かないまま卒業扱い』『高等学校卒業程度認定試験』の4つに分けて検討していこうと思います。


中学校卒業程度認定試験

まず最初に知っておくべきなのは『中学校卒業程度認定試験』(中卒認定)というものの存在です。これは高等学校卒業程度認定試験(高卒認定)(旧・大学入学資格検定(大検))の中学版と考えられます。
文部科学省 : 就学義務猶予免除者等の中学校卒業程度認定試験
正式名称の前半部「就学義務猶予免除者等の」という前置きは気になりますし、[受験資格]の所もわかりずらいです。受験資格の所を書き出してみます。

【受験資格】
(1)就学義務猶予免除者である者又は就学義務猶予免除者であつた者で、受験しようとする認定試験の日の属する年度(4月1日から翌年3月31日までをいう。以下同じ。)の終わりまでに満15歳以上になるもの
(2) 保護者が就学させる義務の猶予又は免除を受けず、かつ、受験しようとする認定試験の日の属する年度の終わりまでに満15歳に達する者で、その年度の終わりまでに中学校を卒業できないと見込まれることについてやむを得ない事由があると文部科学大臣が認めたもの
(3) 受験しようとする認定試験の日の属する年度の終わりまでに満16歳以上になる者((1)及び(4)に掲げる者を除く。)
(4) 日本の国籍を有しない者で、受験しようとする認定試験の日の属する年度の終わりまでに満15歳以上になるもの

《就学義務猶予免除者》とはどういった人たちを指すのかは、上記でもリンクを張った文部科学省の公式サイトの中の【8. 就学義務の猶予又は免除について】というページで説明されています。
文部科学省 : 8. 就学義務の猶予又は免除について
この説明をみると、「本人と学校との相性が著しく合わなかったり、個人的に精神的な問題を抱えるなどで学校に行くことができなくなってしまった(一般的に「不登校」といわれる状態)生徒」などはこの《就学義務猶予免除者》には含まれない感じです。
しかし、受験資格(3)によって、「《就学義務猶予免除者》にも《外国籍者》にも該当しない者で、義務教育期間とされる学齢期(6歳から15歳まで)を過ぎた者」は受験資格を得るという事がわかります。
学校に行かずに出席日数が足りずテストも受けず、留年もしくは除籍や退学になっても、自分が卒業するはずだった年度が過ぎて学齢期が終われば、中学校卒業程度認定試験を受けて合格することによって高校入学資格を得る事ができます。内申書は無しですし卒業後すぐに進学する同学年の子たちと比べると最短でも1年留年という形にはなりますが、進学先が通信制高校などの場合は内申書も年齢もさほど大きな問題にはなりません。
ひとつ理解しておく必要があるのは、この試験は高卒認定と同様に、卒業資格ではなく上の学校への「入学資格」なので合格しても卒業にはなりません。しかし、高校へ入学して卒業すれば卒業した高校が学歴になるので問題はないと思います。


フリースクール

次は『フリースクール』です。
中学校に行っていなくても、公立校であれば少なくとも学齢期が終わる満15歳に達した日以降の最初の3月31日(現実的には中学校を卒業するはずだった日)までは入学した中学校に籍はあり続けます。私立校の場合は除籍や退学があるので公立校に転校という形を取るようです。小学校の頃から学校に行っていなかった場合でも、住民登録してある住所の学区の公立中学校に籍が置かれている場合がほとんどのようです。
フリースクールは「スクール」といっても学校教育法で定められた『学校』ではないため、中学校に籍を置いたままフリースクールを利用することになります。フリースクールを卒業しても『中学校卒業』にはなりませんので、基本的には中学校卒業程度認定試験を受ける必要があります(在籍している中学校による)。つまりフリースクールは、『独学』『塾』『予備校』『家庭教師』といった中学校に行かない場合の選択肢の中の1つという事になります。ただし、フリースクールは不登校生徒への対応のための場という意味合いが強いので、籍を置く中学校との対応(卒業など)のノウハウも含めてその点は心強いかと思います。
フリースクールの運営は、個人経営, NPO法人, ボランティア団体, 企業, など様々で、それぞれ私塾のようなものから学校的なものまで規模や運営理念もかなり違いがあるようです。住んでいる地域や運営形態などで自分に合った所を探してみると良いでしょう。
参考までに、通信制高校に在籍する高校生の勉強をサポートする『サポート校』を運営する企業が、全国に多数展開している「キャンパス」を利用したフリースクール3校と、通信制高校を運営する学校法人もしくは提携する法人が「フリースクール」や「中等部」として都市部を中心に複数のキャンパスを展開しているフリースクール4校のサイトへのリンクを貼っておきます。

トライ式高等学院 : フリースクール

KTCおおぞら高等学院 : 中学生サポートコース

WILL学園

アートフリースクール

八洲学園 : 中等部

鹿島学園高等学校 : 中学生コース

N中等部

通信制高校と提携したり、通信制高校のサポート校が中学生向けにフリースクールを開いている「キャンパス」は全国に多数ありますが、やはり都市部に偏っている傾向はあります。上の7校以外にも地域的に在籍可能なフリースクールが在るか調べてみると良いでしょう。[東京都 フリースクール]のように[自身が住んでいる都道府県+半角スペース+フリースクール]で検索すると地元のフリースクールに関する情報が見つかると思います。
また、中学校の中にはフリースクールに通った期間を学校への出席扱いにする学校もあるようなのですが、これに関してはその中学校の校長の裁量に任されているらしく、学校によってバラつきがあるようなのであてにできないと考えた方が良いと思います。


中学校に行かないまま卒業扱い

そしてこれが一番楽というかありがたいのが、『中学校に行かないまま卒業扱い』というものです。
「そんな事がありえるのか?」と私は思いましたが、こういうケースは実際かなりあるようです。もちろんこれも全ての学校でということではなく、学校によってバラつきがあるでしょう。
私もそうでしたが一般的には「進級や卒業には相応の成績と出席日数が必要」と考えられていると思うのですが、公立の小中学校に関しては必ずしも厳密にそうであるわけではないようなのです。 現行では生徒側からの要求以外で学校側から留年させるという事はほぼなくなっているそうです。
どういう事かというと、日本の小中学校は実質年齢主義で運営されているからです。学校の判断で生徒を留年させることは可能となってはいるものの、日本の義務教育は《小学校の6年と中学校の3年の計9年》で、学齢期が《満6歳の誕生日以後の最初の4月1日から9年間(満15歳に達した日以後の最初の3月31日まで)》というように、《小学校入学から中学校卒業まで》と《学齢期》が完全に一致しているため、1度でも留年させると中学の2学年が終わった時点で学齢期が終わり、3年時は学齢超過で義務教育期間が終わっているという事になって辻褄が合わなくなるのですね。その場合でも、学校(校長)の裁量で学齢超過者の中学校への在籍を認める事は可能ではありますし、学校側が在籍生徒本人やその親にそのように促す例もあるようですが、本人が中学校に残る気が無い場合は学校に拘束するわけにもいかないでしょうし、それを正当化するような法的根拠もありません。
このあたりの事はフリースクールは詳しいはずなので、フリースクール入学者はスクール側から実務的なアドバイスがもらえると思います。
私立の場合は先程も書いたように除籍や退学になる場合が多いので公立校へ転校という形にするようです。
ただし、在籍中に登校しなかった生徒を卒業扱いにすることを公立中学校に義務付ける法律があるというわけではないので、卒業扱いにしてもらえるという前提で考えない方が良いとは思います。


高等学校卒業程度認定試験

最後は『高等学校卒業程度認定試験』(高卒認定)(旧・大学入学資格検定(大検))です。
じつはこの高等学校卒業程度認定試験は中学校を卒業していなくても受ける事ができます。一番最初に紹介した中学校卒業程度認定試験(中卒認定)に合格していなくても受ける事ができます。なので、高校に行くつもりも、行く必要もない場合は中卒認定を受けずにいきなりこの高卒認定を受けてしまってもいいわけです。これが一番わかりやすくてスッキリしています。
文部科学省 : 高等学校卒上程度認定試験

【受験資格】
高等学校卒業程度認定試験を受けることができる者は、受験しようとする試験の日の属する年度の終わりまでに満16歳以上になる者とする。

受験資格もシンプルでわかりやすいです。
この試験が『大学入学資格検定』という名称だったときは《中学卒業》か《中卒認定合格》の資格がないと受験できなかったそうですが、今の名称に変えた時にこの条件をなくしたそうです。
中卒認定と同じく、中学校を卒業するはずだった年度の次の年度(16歳になる年度)にこの高卒認定試験も受ける事が可能ですが、その時点で合格したとしても日本は飛び級で学校に入学することを認めていないため、満18歳になる年度にならないと大学や専門学校に入学する事はできません。
実際問題として、中学卒業(するはずだった)の次の年度までに高校卒業レベルの学力を身に着けるのは難しいので勉強する必要がありますね。
この試験も、大学や短大や専門学校等に入学する資格を得るためのものなので、合格しても高校卒業にはなりません。それでも学歴欄に「高等学校卒業程度認定試験合格」と書く事はできます。

以上が、「中学校に行けなくなったとしても、中学校を卒業する事、もしくは上の学校に進学する事ができるのか」について私が調べた結果です。

最後になりますが、『義務教育』の「義務」は《国》《中央政府》《地方政府》《保護者》などが子供に教育を受けさせる義務の事であって、学齢期の子供が義務を負っているわけではありません。子供は教育を受ける権利を有しているというだけですので、学齢期の児童生徒が学校に通わなかった、もしくは通えなかったとしてもそれは児童生徒の義務違反ではないので悪い事をしたわけでもなければ罪に問われる事などももちろんありません。


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