多すぎてわかりずらい『決済ブランド』をわかりやすく説明する

現金以外での支払いといえば、昔は『商品券』か『クレジットカード』、もしくは月々の支払いの『口座振替』くらいでした。ただし、商品券は差額分を現金でやり取りするのでキャッシュレスではなかったりしますが。
しかしここ数年、非接触決済の技術を応用したFeliCa規格の電子マネーや、QRコードなど読み取る形で決済を行うモバイル決済など、テクノロジーを駆使したさまざまな《キャッシュレス》が登場しています。
便利になる事は良い事ですし、テクノロジーの発展にもわくわくするのですが、多くの企業が自社の利益確保のため決済事業に進出し、無秩序に決済サービスを展開している今の状況は私達消費者に混乱を招いている感もあります。
そこでこのエントリーでは、このカオスなキャッシュレスサービスの状況を私なりに整理し、『国際ブランド』『交通系電子マネー』『流通系電子マネー』『ポストペイ式電子マネー』『QRコード決済』の5つのジャンルに分けて説明してみようと思います。


● 国際ブランド

多くの国で使える全7ブランド

国をまたいで多数の国で使える世界規模の決済サービスです。現在使われているキャッシュレス決済の中では最も歴史があり信頼性が高く、汎用性の高い決済方法です。
VISA』『Mastercard』『JCB』『American Express』『Diners Club』『銀聯(Union Pay)』『Discover』の7ブランドが存在します。
このうち『VISA』『Mastercard』『American Express』『Diners Club』『Discover』の5ブランドはアメリカ企業で、『JCB』は日本企業、『銀聯(Union Pay)』は中国企業です。
この中で『Dicover』ブランドの決済カードだけは日本で発行されていないのですが、お店によっては海外からの観光客のために支払いに対応している所もあります。
日本国内で発行されている決済カードの種類でこれらの国際ブランドが使われている例は以下の通り

クレジットカード :『VISA』『Mastercard』『JCB』『Amwrican Express』『Diners Club』『銀聯(Union Pay)』
デビットカード :『VISA』『Mastercard』『JCB』
プリペイドカード :『VISA』『Mastercard』『JCB』

日本国内ではだいたい『VISA』『Mastercard』『JCB』『American Express』の4ブランドが多くの支払いで受け付けられています。次いで『Diners Club』。
特に『VISA』と『Mastercard』の2大ブランドは世界で最も加盟店が多く、日本国内でもクレジットカードでの支払いを受け付けている場合、この2ブランドが使えないというケースはごく一部の例外を除いてありません。
『銀聯(Union Pay)』は中国人観光客、『Discover』は主に北米からの観光客のために受け付けている店舗が増えてきてはいますが、使えるのはかなり限定的です。

『VISA』『Mastercard』
『JCB』『American Express』/『Diners Club』
『銀聯(Union Pay)』『Discover』

この国際ブランドと共に、クレジットカードを発行している企業や決済業務を請け負っている企業のマークがレジ付近に掲示してある事が多いのでちょっと紛らわしかったりもします。

これらは国際ブランドと提携している企業のマークで、決済ブランドではありませんから、自分が持っているカードにこのマークが無くても上記の7種の国際ブランドの内のどれかが掲示されていて、自分が持っているカードがそのブランドの付いたカードであれば使えます。
国際ブランドと提携した決済カードの場合、どのカードでの支払いを受け付けているかは上記の7種の国際ブランドで決まっている事がほとんどなので、国際ブランドのマークが掲示されている場合、この企業マークはあまり気にしなくて大丈夫です。

日本国内で使える多くの決済サービスの中で国際的に使える決済サービスはこの《国際ブランド》だけです。


● 交通系電子マネー

全国に多数あり 『交通系ICカード全国相互利用サービス』参加の比較的汎用性が高いのは10ブランド

NFC(Near Field Communication)/近距離無線通信という技術を応用した非接触決済技術の中で、FeliCaという日本独自規格で開発された決済システムが日本での「電子マネー」として普及していますが、その中で公共交通機関の利用時に乗車カードとして使えるのが交通系電子マネーです。
交通系電子マネーは各地方の鉄道会社やバス会社がそれぞれ独自に発行していますが、一部を除き相互利用が可能となってる『Kitaca』『Suica』『PASMO』『TOICA』『manaca』『ICOCA』『PiTaPa』『SUGOCA』『nimoca』『はやかけん』の10ブランドがその汎用性の高さから多く普及しています。
さらにこの10ブランドの内、『PiTaPa』を除く9ブランドは公共交通機関の乗車カードとしてだけでなく、お店での商品の購入にも使える電子マネーとしても相互利用が可能となっていて、より地域横断的に使いやすくなっています。
『PiTaPa』が電子マネーとしては孤立しているのは、他の9ブランドがプリペイド(前払い)式であるのに対し、『PiTaPa』はクレジットカードと同じ後払い式を採用しているという決済方式の違いによるものです。クレジット決済(後払い) 方式ですので発行前に信用審査があります。他の9ブランドはプリペイド(前払い)方式なので審査はありません。国際ブランド以外の決済ブランドの中で単独でクレジット決済(後払い)方式のカードを発行しているのは『PiTaPa』だけです。
また、10ブランドの中で『Suica』と『PASMO』はスマートフォン用のアプリも用意されていて、モバイル決済としても使用できます。
日本国内では鉄道やバスを利用するときの乗車カードとして使える決済システムは、ごく一部のバスを除いてほぼ交通系電子マネーだけであるために多く普及しています。特に都市部では、買い物やサービスの支払いでの電子マネーとしても対応しているお店が多く、非常に便利な決済サービスとなっています。


● 流通系電子マネー

多数あり 比較的企業横断で利用可能な汎用性の高いのは3ブランド

交通系電子マネーでも使われているFeliCa規格のポプュラーな電子マネーの内、プリペイド式の電子マネーは多くの外食企業や小売り企業が独自に発行していますが、その中で特に汎用性の高い決済ブランドが『nanaco』『楽天Edy』『WAON』の3ブランドです。
『nanaco』はセブンイレブンやイトーヨーカドーなどの親会社であるセブン&アイ・ホールディングス、『楽天Edy』は楽天、『WAON』はイオンがそれぞれ発行していますが、企業を越えて比較的多くのお店で使えるようになっています。
交通系電子マネーが鉄道やバス以外でも一般的な電子マネーとして使えるようになってきたため、実際の所、汎用性では交通系電子マネーにかなわなくなっていますが、それでもショッピングカードとして根強い人気があります。プリペイド式なので審査がなく、年齢制限も緩いので気軽に作れます。


● ポストペイ式電子マネー

全2ブランド

交通系や流通系と同じ FeliCa 規格の電子マネーブランド。主にクレジットカードと組み合わせて使う決済システムで、『iD』『QUICPay』の2ブランドがあります。
国際ブランドのクレジットカードとセットで利用し、このブランドで支払いをした分の料金は組み合わされた国際ブランドのクレジットカードの料金として請求されます。『iD』は『VISA』もしくは『Mastercard』と、『QUICPay』は『JCB』とのセットで機能します。
モバイル決済で使う場合には一部のデビットカードやプリペイドカードと組み合わせての使用も可能です。『iD』は『VISA』『Mastercard』とのセットでそれぞれデビットカードとプリペイドカードも発行されています。
この2ブランドは『Suica』と共に Apple Pay で採用されているので、利用者はそれなりに多いようですが、国際ブランドでも国際規格のNFC技術で、FeliCa の電子マネーと同じように読み取り機にカードもしくはスマートフォンを当てて(かざして) 決済する「タッチ決済」や「コンタクトレス」といった方式が今後日本でも普及すると思われるので、国際ブランドと組み合わせる事を前提にしているこのポストペイ式電子マネーはいずれは使われなくなっていくだろうと私は考えています。


● QRコード決済

多数あり 現時点で比較的普及しているのは6~7ブランド

最も新規の決済サービス。多くの企業が参入していてどれほどのブランドが存在するのか把握が困難なほどです。
現在比較的普及しているブランドは『PayPay』『LINE Pay』『楽天ペイ』『d払い』『au PAY』『メルペイ』『ORIGAMI Pay』といったところでしょうか。その他『ゆうちょPay』『FamiPay』などトータルで20以上のブランドが乱立しているようですが、いずれは3~4ブランド程度に落ち着くのではないかと私は考ます。
『7pay』が大規模不正利用でサービス開始後4日でサービス停止になったのは記憶に新しいところです。
他の決済サービスがカードベースで考えられていて、ブランドによってはスマートフォンでも使えるようにしてあるというシステムであるのに対して、この決済サービスはスマートフォンを使う事を前提とした決済システムです。カメラ, ディスプレイ, CPU, バッテリー, ネット接続 が必ず必要です。
決済手段は基本的にはプリペイド(前払い) 式ですが、ブランドによって、また選択する決済手段や登録する決済カードなどによって即時払いや後払いもできます。


最後に

決済ブランドで最も信頼性があり汎用性が高いのは『国際ブランド』です。キャッシュレスでの支払いを受け付けているお店の多くで使用可能です。中でも『VISA』と『Mastercard』は抜群の安定感があります。日本国内では次点で『JCB』といったところですね。
それ以外の決済ブランドはすべて国内専用ですが、『交通系電子マネー』が使い勝手が良く、中でも『Suica』が国内専用ブランドの中では高い安定度と汎用性があると思います。
決済ブランドは《ポストペイ/クレジット(後払い)》《デビット(即時払い)》《プリペイド(前払い)》といった支払い方式との組み合わせや併用などのパターンで使い勝手も変わるので複雑ですが、あえて決済ブランドだけを取り上げて考えてみるのも面白いと思いました。
あくまでも汎用性が高く、知名度のあるブランドだけの説明なので大まかではあるのですが、キャッシュレス決済を選ぶ時の参考になればと思います。


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